( CVV主催 2008年度第1回市民見学会)
"改修で蘇えった 狭山池 狭山池博物館 を尋ねよう"
     "ホールで 大和川付け替えと狭山池 について聴こう"
大阪狭山市にある「狭山池」は、古事記や日本書紀に築造の記録が見られる日本最古のダム形式の人工池で
あり、南河内の農業用水の供給源として、創築依頼、改修が重ねられながらその役割を担ってきたが、昭和57年
の豪雨により、狭山池下流の西除川、東除川が氾濫し、大きな被害が出たのを機に、洪水調節機能も備えたダム
に改修が進められ、平成14年に、現在の「狭山池ダム」が完成した。
ダムの堤防改修時に、過去の貴重な灌漑遺構が数多く発掘され、ダムの横に同時に建設された「狭山池博物
館」に保存されている。
CVVとしては、平成15年に、一度「市民見学会」を開催しているが、「狭山池」の歴史や、貴重な土木遺構を、も
っと多くの方々知って頂きたく、今回、第2回目の「狭山池」見学会を開催した。
既に、第1回目の見学会報告(こちら参照)を行っているが、以下、改めて、今回の見学会の報告である。

    狭山池ダム全景 (右が堰堤) (堰堤の右奥に見えるのが「狭山池博物館」)

見学会日時:
平成20年(2008年)7月17日(木)  13:30〜16:30
見学所:
狭山池、狭山池博物館
参加者:
24名
見学風景:
狭山池博物館内展示遺構:
(前回のページです)
堤防改修推移:

今回も、茂岡会員に大変お世話になりました。
南海・高野線の大阪狭山駅に集合し、簡単に説明を受けたあと狭山池に向かい、堤防で資料を頂いて、池の
全貌を頭に入れた後、堤防の横にある「狭山池博物館」に入館し、係りの人の案内で、会議ホールに入りました。
ホールでは、まず博物館の阪田学芸員さんから、映像を使った「狭山池」の歴史、改修時に出土した遺構、博
物館の意義などのお話を聴いた後、館内の案内を、ボランティアの方がして下さるということで、6名の方の紹介が
ありました。
続いて、鈴木啓右氏(大阪府OB)から「大和川の付け替えと狭山池」と題するご講演を頂き、南河内平野の治水
のため、大和川付け替えに尽力した「中甚兵衛」の功績を知ることができました。
そのあと、説明ボランティアの方々に館内を案内して頂き、保存してある遺構類を見学し、灌漑設備の1400年の
歴史を目の当たりにしましたが、改めてその知恵、技術に感嘆しました。
平成の改修で明らかになった堤体の全断面保存については、平成14年度の「土木学会技術賞」を受賞している
が、狭山池の歴史的存在意義を、大阪府民の皆さんに、もっともっと認識して頂きたく、「狭山池博物館」の見学者
が一層増えることを期待したいものです。
今回の見学会に際して、いろいろな準備をして頂いた茂岡会員に深く感謝するとともに、博物館で、「狭山池」の
説明をして下さった阪田学芸員さん、「大和川付け替え」の講演をして下さった鈴木啓右氏に厚くお礼申し上げま
す。
暑い中、ご参加頂いた皆さん、有難うございました。お疲れさまでした。
CVV担当一同