[ 新浜寺大橋 ]
( しんはまでらおおはし )
( SHIN-HAMADERA BRIDGE )
本橋は、浜寺運河を跨ぎ、大阪市内から関西国際空港への交通利便性向上に供している。
阪神高速道路4号湾岸線は、昭和62年(1987年)に堺市出島までが開通し、その後、関西国際空港
へのアクセスとして南伸部が建設され、平成6年(1994年)4月に全線開通した。
新浜寺大橋は、南伸部の一部として、南海本線諏訪ノ森駅の西500mの泉北埋立地に建設されたバス
ケットハンドルタイプの ニールセンローゼ橋である。
堺市浜寺公園付近は、戦前、別荘地として栄え、海水浴場もあり賑わっていたが、戦後、米軍に接収
された。米軍の接収解除後、3年ほどしてから泉北臨海工業地帯として埋立て造成が始まり、海水浴場
は姿を消したが、浜寺公園の景観保存などを目的として浜寺水路が建設された。新浜寺大橋は、この
浜寺水路を斜めに横断する形で架橋されている。
本橋は建設当時、ニールセンローゼ橋では日本最長で、バスケットハンドル形式としては世界最長であ
る。アーチ支間は254m、アーチライズは36mで、アーチライズ比(f/L)が1/7と、やや扁平であるが緊張
感のある側面形状である。バスケットハンドル形式としてのアーチ主構間隔は、下弦材位置で25.5m、
上部に行くにつれ内側に倒れこんで塔頂では1.5mに接近しており、見た目にも安定感のある正面形状
である。
下部工は逆台形のラーメン構造で、上部工のバスケットハンドル形と対比して、バランスよい全体断面
形状が形成されている。逆台形下部工の上部横梁にはPC鋼線によりプレストレスが導入されている。
本橋は、上部工全体が泉北北港の帝人埠頭岸壁で地組み立てされ、架設場所まで約1.2kmを台船で
運ばれた。架橋位置が48度で水路と交差し、架橋地点の水深が浅く大型起重機船が利用できないため、
潮位差を利用した台船一括架設工法が用いられた。すなわち満潮時に台船を架設位置に進入させ、潮が
引くのを利用して橋体を橋脚上に移し換えて架設されている。
本橋は、昭和62年に下部工事が開始され、平成3年7月に上部工が一括架設された。
本橋は、平成4年度の土木学会田中賞を受賞している。
( Google Earthより )

全景 (東側から)
主橋部
北主橋脚
南主橋脚
桁下