[ 玉津橋 ]

( たまつばし )

[ TAMATSU BRIDGE ]

平野川に架かる橋である。

玉津橋は、大坂と奈良を結ぶ「暗越（くらがりごえ）奈良街道」の道筋にあり、江戸時代初期には既に架け

られていたと考えられている。

昭和43年(1968)に架け換えられた橋は、橋の構造高を低く押さえる必要からプレビームという特別な桁

が日本で初めて採用された。この形式は鋼桁を先に曲げておき、その引張り側にコンクリートを打設し、硬

化後、曲げを解除することによってコンクリート部に予め圧縮力を加えておくもので、桁を低く作ることができ

るものである。

現在の玉津橋は、橋長16ｍ、幅員13.4ｍ、桁高を抑えるために鋼床版桁が採用されている。橋面は「歴

史の橋」の整備の一環として、美装化された2.2ｍの歩道が両側に設けられている。玉津橋は、暗越奈良街

道筋にあたることから、高欄部に江戸時代に描かれた古地図を銅板に焼き付けたものをはめ込み、橋が古

くから存続してきたことを顕彰している。また、現在でも街道筋の生駒山中暗峠に石畳が残ることから、橋の

歩道部には石畳風の敷石が並べられ、街道の雰囲気を伝えている。

また、橋の西側の東成区中道4丁目には「暗越奈良街道里程標」があるなど、今も玉津橋の近辺には、往

時の街道の面影が残されている。

全景

高欄柱の橋名

橋面

歩道の石畳風の敷石

高欄にはめ込まれたエッチングの大阪の古地図

玉津橋からの平野川上流

玉津橋からの平野川下流

[ 暗越奈良街道 ]

「暗越奈良街道」碑の建つ路地

街道碑

「 暗越奈良街道 距高麗橋元標 壹里 」

「街道碑」説明板